基礎編/安全とチューニング/人的要因
これはインラインに限った話でもなく、日常生活の中でも遭遇する危険ですが、歩行者と自転車の中間くらいの速度で滑る、インラインの特徴から気をつけねばならない事象です。特に初心者にはかなりの脅威だと思われます。子供・自転車など、自分ひとりの被害だけでは済まない危険です。
●子供
パイロンなどをしていて一番の天敵は、幼い子供です。子供は好奇心のまま行動するので、動きの予想がつかないのと、肉体的・精神的に視野が狭いので、危ない状況にでも平気で近づいてきます。私たちの感覚では、パイロンが並んでいれば、80%は好奇心で近づいて来ますので、私らは子連れの姿がパイロンの近くに見えたら、遠ざかるまで待つことにしています。
子供を巻き込んで大ケガをさせると、その公園などでの滑走禁止は確実ですので、自分たちのためにも十分な注意を払いましょう。
●自転車
子供についで危険なのは自転車です。
自転車自体の危険というよりは、スケーターとの相対速度がつかみづらいのが原因になります。
例えば後方遠くに自転車が走っていたとして、スケーターが突然ターンして止まった場合、ちょうど近づいてきた自転車と接触する可能性があります。
さらにパイロンの場合は、ミスではねとばしたパイロンが自転車の直前に転がり、それをさけるために自転車が急な方向転換する事も考えられます。ですから、自転車が見えたらどのくらいの速度近づいてきいるかが不明な場合は、止まってやりすごすくらいの気持ちが必要です。
特にスポーツサイクルの場合、歩行者の多い場所でも速度を落とさない事が多いので、遠くに見えても滑り出さないほうがいいでしょう。
●自動車
右歩道だと、車も
スケーターも加速
している場合が多
いので危険。
これは公園内でなく、長距離などで、やむを得ず一時的に街中を滑走する場合の交差点・横断歩道などでの話です。
通常、自動車運転者は歩行者と自転車、対向車などに注意をはらって交差点を通過していくので、スケーターは普通の歩行者に見えます。
その場合に、運転者は歩行者の速度を想定して大きく迂回するように速度を上げて、右折・左折してくる可能性があります。
そうした場合の事故をさけるために、交差点をインラインで横断する場合には、信号がかわる直前と直後に入るのはやめましょう。特に黄色にかわった時点だと、右折まちの車が突っ込んできます。
ですから十字交差点の場合、進行方向の左側の歩道で1回信号を待って、まず左折車に十分アピールしてから進入します。
多人数で滑っている場合には、上級者が途中で立ち止まって、安全を確保するほうが良いでしょう。