準備編/ブーツ/ウイルとベアリング
ウイルとベアリングは、インラインスケートのスピードや安定感を左右する部分です。 ウイルもベアリングも基本的には消耗品ですが、上手にケアできれば長く使うことも可能です。
●一般的なウイル周辺の構造と名称
■ウイル
いわゆるタイヤ状の部分を指します。また中心部の固い部分を特にコアと呼び、大きく分けるとコアとウイルの間に空間を設けた直径の大きなフィットネス系と、 中心まで同じ素材で、直径の小さいアグレッシヴ系の2種類に分類できます。 詳しくは基礎編で。 |
■ベアリング
特殊な場合を除いて、どのメーカーも同じサイズの物を使っています。精度の差として一般にABEC(エイベック)などの等級があり、 後ろに続く数字が大きいほど高精度であるとされます。単純に高速回転するという意味ではありませんが、ほぼ同義です。 |
■ベアリング
/スペーサー ウイルを左右からはさみ込む構造のベアリングを中心でささえ、ボルト(シャフト)を通す部品です。 一般には樹脂製ですが、金属製のものもあり、金属製は回転精度が高まります。最も安価なチューンアップかも知れません。 |
■ロッカー
/スペーサー 最近はロッカーリング出来ない構造の靴が増えてきましたが、本来は自分なりの滑りを実現するためや、フレームの破損を防ぐためのパーツです。 詳しくは基礎編で。 |
■ボルト
ボルトはウイルまわりの全てを止めるという以外の機能はないのですが、締め加減には注意が必要です。ゆるいと滑走中に外れてしまうこともありますし、締めすぎると回転が悪くなることもあります。 |
(そのために金属製ベアリングスペーサーがあります)ほぼすべての物が六角の穴で、専用のレンチをつかって調節します。
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●ウイルローテーション
長く滑っていればウイルもだんだん減ってきます。その減り方も一定ではないので減り方を均一にするために時々ウイルをはずして、 表裏や場所を交換することをローテーションといい、メーカー製の靴なら付属のパンフレットにアドバイスがあると思います。
初回のローテーションはアドバイスの通りでいいとして、2回め以降のローテーションの時期に関しては個人差・滑る頻度なので一概に決められません。 新しいウイルは最初のうちは減りづらく、一度減りだすとその度合が大きくなります。正面から見て、斜めに減った度合で判断してください。
そこで買ってすぐのうちに、ウイルに左右と順番がわかるように油性マジックでマーキングしておく事をおすすめします。印刷面の反対側で、 ベアリングの近くに書いておけば良いでしょう。2回め以降のローテーションの時や、新しいウイルと混在しだすようになると役に立ちます。 (上達してくると減り方が安定してくるのであまり必要なくなりますが。)
●ウイルの寿命
これは消耗品です。ウイルは最初の径より1mmほど減ったころから消耗が激しくなります。全ウイルのバランスを考えて、 1度に換えるか半々で換えるかを決めて下さい。最初のころなら、1度に換えたほうがいいと思います。 なお、T-ストップなどで一部分だけ削れてしまった(フラットスポット)場合には、減り方に関係なく取り替えてしまったほうが良いようです。 振動が発生しますし、滑って全体を平均に減らす事は実質的にほとんど不可能です。なお、安価な子供用やオフロード用などの特殊な場合を除いて、 穴と幅の規格は統一されているので、どのメーカーの物でも基本的には使用できるはずです。
●ベアリングの寿命
ベアリングは品質にバラつきがある事がありますので、回りずらくなったものから換えるか、1度に取り替えて比較的回るものをスペアとしておきましょう。 普及品のベアリングはメンテナンス出来ない(しない事を前提にしている)ものが多いので、潤滑剤等を使用すると(内部のグリスが流出してしまうので) かえって回りを悪くする事があります。砂などをカンでしまったものは灯油で洗うという荒技もありますが、よりこまめなメンテナンスが必要になるようです。 品質と精度によりますが半年から2年で換え時がくるようです。なおベアリングも、どのメーカーのものでも使用できます。